ADVゲームは遊びますか?
ゲーム好きの中でも、ADVゲームをやる人と、そうじゃない人って、結構分かれる印象があります。
そもそもADVゲームとは何か?
その定義や説明から始まると、えげつなく長文になりそうなので今回は控えます。
テキストアドベンチャーなのか? 2Dなのか3Dなのか? などと細かくジャンル分けする事も控えます。
全体的に“なんとなく”でいきます!!
僕がADVゲームだと思ったら、それはADVゲームなのです。
とは言え、一応の判定基準を書いておくと…
・ストーリー主体のゲームである事。
・メインのゲームシステムが、選択肢や分岐していくものである事。
くらいかなぁ…
そんな、あいまいな判定基準の中で、僕が「好きだ!」と思ったADVゲームについて取り上げていきたいと思います。
ミソなのは「僕が好き」という点です。
名作のADVゲームは、それこそ『逆転裁判』や『428』や『かまいたちの夜』など、たくさんあります。
それらの名作を紹介する訳ではなく、あくまで僕が好きなものを取り上げていくだけなので、ご了承ください。
では、まず1作目から。
『クロス探偵物語』
本格推理アドベンチャーゲームです。
個人的には、ADVゲームの中でもミステリーが大好きで、その中でも特に、この『クロス探偵物語』は印象深いです。
僕がゲームショップでアルバイトをしていた頃に、たまたまこのゲームの在庫が余っていて、それを処分したがっていた店長が「これは絶対にやった方がいい!人生変わるぞ!」などと、詐欺まがいの言葉で売りつけてきたのが、出会いです。
でも、本当に人生変わったかもしれませんね。
僕がミステリーのADVゲームを作りたいと思うようになった、きっかけの一端かもしれないので。
『クロス探偵物語』の何が好きかって、爽やかそうな見た目や、ピチカート・ファイヴの明るいテーマ曲とは打って変わって、殺人事件が本当に怖く描写されているんですよね。
ADVゲームにおいて、殺人事件とは解くべき謎であって、それ自体を遊ぶものなので、そこに恐怖などが描かれる事は、それまであまりなかったように思えます。
でも、『クロス探偵物語』においては、殺人事件が本当に怖いんですよ。
そこらへんが、ミステリー小説を読んでいるような感覚に近くて、非常にミステリー愛のある方々が作ったゲームなんだなと思いました。
殺人事件のトリック自体も凝っていて、面白かったように思います。
残念なのは、続編を作るとアナウンスしたものの、途中で頓挫したのか、立ち消えになってしまったところですね。
当時、一気に引き込まれて、寝る間を惜しんでプレイしたので、とても印象深いです。
そして、次の作品は…
『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』
これも、とても心に残っていますねー。
オカルトじみた事件の謎を解いていく、推理モノのノベルアドベンチャーゲームなのですが…
まさに「信じるか信じないかはあなた次第!」をゲームにしたような作品です。
こっくりさんの途中で起きた事件など、オカルトじみた事件を、科学的解釈で捜査するか、オカルト的解釈で捜査するかで、物語が大きく変わっていくのです。
どちらのルートから事件を解決させるか、毎回頭を悩ませました。
なぜなら、どちらのルートもメチャクチャ面白いからです。
しかも、ちゃんと推理要素もあって、その推理に成功しないとグッドエンディングにはたどり着けません。
ちゃんと文章を読んで、頭の中でまとめていかないといけないので、なかなかに緊張感があります。
小ネタ的に、様々な都市伝説が語られるのも面白かったですねー。
オカルト好きな人には本当にたまらないゲームだと思います。
グラフィックもキレイな上に、このオカルトっぽい雰囲気をもり立ててくれるタッチで、音楽や効果音の使い方も素晴らしく、非常に完成度が高いノベルゲームだと思いました。
そして、次の作品は…
『シルバー事件』
これも、僕がゲームショップでアルバイトしていた時に出会いました。
同じバイト仲間が、ゲーム会社「グラスホッパー・マニファクチュア」の大ファンで、その人から薦められたものです。
正直、最初はプレイしていて、内容がさっぱりわかりませんでした。
プレイを始めた直後のその感想を、バイト仲間にぶつけたところ、「わからないのがいいんだよ」という答えが返ってきました。
「そうなのか!」と、単純にも吹っ切れた僕は、そこから一気にプレイしていきましたね。
ゲーム自体の難易度が高い部分もあって、結構苦労しながら進めた記憶があります。
内容的には、まさにサイコサスペンスといった不気味な雰囲気で、一体この先何が起きるのかまったく読めない展開の連続でした。
深夜にプレイするのがぴったりのゲームです。
そして、「フィルム・ウィンドウ」と呼ばれる独特なグラフィック表現も秀逸です。
根強い人気があるので、今でも色々と移植されていますね。
ぜひ、不気味な犯罪世界を覗いてみたい人に、オススメしたいゲームですね。
では、次の作品です。
『Ever17 -the out of infinity-』
これは、ADVゲームファンの間では、語り草となっている作品ですね。
弊社(トゥーキョーゲームス)の、打越鋼太郎と中澤工が、かつて手掛けた作品です。
恋愛アドベンチャーなのかSFアドベンチャーなのか、区分けが非常に難しい作品ですけど、とにかくシナリオの完成度が素晴らしいです。
このシナリオに仕掛けられたトリックを、なんの予備知識もなく味わって欲しいと思います。
こんな素晴らしシナリオを書く打越さんですが、普段は酒飲みおじさんです。
でも、本当に素晴らしいシナリオを書くので、許してあげる事にしています。
みなさんも『Ever17』をプレイしたら同じ気持ちになると思いますよ。
そして、何しろ業界人気が高いんですよね。
当時ADVゲームをプレイしていた人からは、ほとんどべた褒めの扱いを受けています。
そして、最後の作品です!
『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』
コナンと金田一少年がまさかの共演を果たしたゲームですね。
え? なぜこのゲームがラインナップされるの? 今までの作品とは毛色が違うよね?
そう思った方に説明しましょう。
なぜ、僕がこのゲームを好きなのか。
それは、僕がシナリオを書いたからです!!
そりゃまぁ、自分で作った作品ですから、大好きに決まっていますよね。
それは『ダンガンロンパ』もそうですけど、ここで『ダンガンロンパ』を選ぶのは普通すぎるので、あえてこちらを選んでみました。
でも、シナリオ的にも、最後の大オチのトリック的にも、かなりよくできているなと、自画自賛はしています。
後、特筆すべきポイントは、このゲームってメチャクチャ大勢が死にまくるんですけど、まさかの「CERO A」で、全年齢対象なんですよね。
シナリオ書く前から、全年齢対象にしろとは言われましたが、どう殺人事件を描けばいいのか悩みました。
血を出さなくしたり、残酷な殺し方にならないようにと、かなり気をつかった記憶があります。
お陰で、トリックはかなり狭められたけど、ちゃんと全年齢対象になったので、僕はよくやりましたよ。(またもや自画自賛!)
とにかく、この作品をきっかけに『ダンガンロンパ』を作る事になったので、僕にとってはとても思い出深い作品です。
まぁ、Vジャンプレイで、マガジンとサンデーのコラボ作品の話をするのは、どうかと思いますけどね。
という訳で、駆け足で5本紹介しました!
最初に書いたとおり、ADVゲームは他にも名作がメチャクチャたくさんあります。
どれも難しい操作を必要としないのが、ADVゲームの良いところです。
なので、普段はゲームをやらないような人も、ぜひ試しにトライしてみて欲しいです。
マンガやアニメとは違った、ADVゲームならではの“物語体験”があると思いますよ!!
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