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気がつけばいつも僕には『少年ジャンプ』があった

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2020/07/28 12:00

稲田ズイキ

稲田ズイキ

オフィシャルプレイヤーになった僧侶・稲田ズイキが自己紹介がてらにジャンプの思い出を語ります。

戦力差×アウェー×相手を舐める態度=俺たちの勝ち

今も覚えている。高3のとき、学校の行事でクラス対抗のバスケットボール大会が開かれた時の思い出だ。

僕のクラスは学校で唯一の特進クラス。運動を生贄に勉学に極振りしてきたメンバーが集っている、いわゆる「オタク組」だった。僕らにとって、バスケ大会なんて地獄以外の何者でもない。

対するは、バスケ部も在籍する普通科のクラス。カルピスのCMに出てきそうな高身長イケメンが目の前に立ったとき、勝負する気概すら失ったのを覚えている。相手クラスの応援席からは、「キャ〜○○〜」と女子の黄色い声援が飛び交っていた。うちのクラスの女子はというと、誰も初めから負けるものだと思っていて応援にすら来ていない。絵に描いたようなアウェイがそこにはあった。

すると、敵チームのカルピスCM高身長イケメンがチームのメンバーに対してこう言った。

「どうせ楽勝なんだし、次の試合に備えて手を抜きながらやろうぜ」

このセリフを聞いて、「あれ?」と思った。こんなシチュエーション、どこかで……。

明確にわかりきった戦力差。圧倒的なアウェイな現場。これに相手を舐めきった態度が掛け算されると……


ジャンプ的には俺たち勝てるんじゃね??


これまで読んできたジャンプ作品の記憶の欠片が、勝利の二文字を頭に弾き始めた。そうだ、ジャンプの場合、アウェーな状況で相手を舐め腐ったとき、下馬評は必ず覆ってきたじゃないか。

湘北を舐めて、藤間をベンチスタートさせた翔陽は負けた。落ちこぼれは天才に勝てない運命だと油断していたネジはナルトには勝てなかった。夢見る時代は終わったんだと終始ヘラヘラ態度を極めていたベラミーはルフィに秒でボコられた……!(他多数)

「戦力差×アウェー×相手を舐める態度=俺たちの勝ち」の究極的方程式。ジャンプ脳の僕は「これ、諦めなければ勝てるやつだ…」と強く確信した(バカ)。すると、不思議と立ち向かう勇気が湧いてきたのだ(バカ)。

「勝っても負けてもいいから、とりあえず試合を楽しもうや」

そんな柄でもないセリフをメンバーに言っていた。クラスメイト達はどうしたんやと困惑したにちがいない。

あのとき、僕は誰よりもジャンプを信じていた

とはいえ、心とはうらはらに、体は追いつかず、僕はただボールを無心で追いかけるパグみたいになった。相手の舐めプが見事に炸裂した結果、試合はボロ負けだった。

でも、10年が経った今も鮮明に覚えているくらい、この日のことは大切な記憶になった。

それは「いつも読んでいる漫画が、読書している時間を越えて、今の自分の力になってくれる」そんな確信を得られた記念すべき日になったからだ。

あのとき、バカかもしれないけど、僕はただ一人、勝つと信じていた。それは誰よりもジャンプを信じていたからである。あの日、読んだジャンプは、作品の域を越えて、記憶になって、血肉になって、今、自分の足を立たせてくれているのだ。大好きなものが自分の一部になるなんて、こんなにうれしいことはあるだろうか。

コロコロを卒業し、初めてジャンプを手にとったのは、小学三年生の頃。友達の家で必死になって次のページをめくったあのときの肌触りを今も覚えている。

傘を握れば「卍解!」と叫び、夏祭りで水風船をゲットすれば「螺旋丸!」と叫ぶ。恋をしたときに、とにかく勢いで告白してしまうのは『いちご100%』の真中淳平が憑依しているからかもしれない。

だんだんと、少年とは言いづらくなった年齢になった今も、『チェンソーマン』のデンジの無垢さに触れれば、少年のハートがふと蘇る。これから先、まだ見ぬジャンプの名作に出会えることを思えば、今まで自分が過ごしてきたすべての時間を、生きててよかったと丸ごと愛せる気さえする。

ジャンプと自分は、今も昔も大切な友達のまま、一緒に年をとっているのだと思った。幼馴染に会えば、思い出の表面がざらっと波立つように、ジャンプの漫画は時代とともににあって、絵や言葉と一緒に、時間と時間の狭間にある思い出も連れてきてくれるのだ。

気がつけばいつも僕には『少年ジャンプ』があった

そんな人生の一部といっても過言ではないジャンプのファンのみなさんが集まるWebサイトで、この度オフィシャルプレイヤーに選んでいただいたこと、本当に嬉しく思います。

昔の自分にひと声かけられるならば、「おまえ、そのままジャンプ読んでて正解だからな!!」と言ってやりたいです。

「最初の記事は自己紹介を」と運営の方から言われていたのだけど、とはいえ、正面切って自己紹介できるような奴でもないので、「ジャンプが私に与えてくれたもの」みたいなテーマで書こうと思った次第でした(ジャンプの存在はあまりにも大きすぎて言語化なんて無理だったんだけども)。

最後になりましたが、簡単に自己紹介すると、僕は1992年生まれのお坊さんで(突然のカミングアウト)、現代カルチャーを仏教的に読み解く連載などを書いたりしています。

https://eonet.jp/zing/articles/_4103313.html
https://kindaipicks.com/article/002039

最後に、これは僕の夢というか、煩悩なのですが、週刊少年ジャンプで僕原作の「仏能力バトルマンガ」を連載することを目指しています。お願いですから「それ、なんて『仏ゾーン』?」とは絶対に言わないでくださいね。今後ともよろしくおねがいします。

エッセイ
自己紹介

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