Vログ

キン肉マンの感想どう書けばいい?

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2020/09/11 07:57

松久峯文

リアルバーチャル兼業アイドル

漫画全般について怒られにくい感想の書き方について考えます。

作者たちのお願い

 この前新シリーズが始まった『キン肉マン』について作者と週プレNEWS(『キン肉マン』を掲載している『週刊プレイボーイ』の公式ニュースサイト)編集部がお願いの記事を投稿した。
あまり難しい内容ではないので一度自分で読んでほしい。https://wpb.shueisha.co.jp/news/info/2020/09/10/112011/

 記事の内容は、お話が分かりすぎるものをネットに出すということは作者やほかの読者にとっては悲しいし、編集部も法的手段を使う場合もあるのでよく考えてほしいと言うものだった。

 この記事の注目ポイントは、作者と編集部の視点の差にある。作者のお願いでは問題となったできごとについて読むタイミングが後になった読者に内容が伝わるようなものと例えていた。一方編集部は、そのできごとについて法的な視点で見解を述べていた。

 その結果、他の読者に少しでもストーリーが伝わるような言動をしてしまったら編集部が行動を起こしうると解釈する人が発生してしまった。これがきっかけでネットで感想を書きにくい、そんな雰囲気が出てくるのではないかと心配になった。

感想を発信する利点

 私は前回のVログ(https://vjumplay.com/generated/vlog/345)でネタバレの問題について触れていた。その時のスタンスは様々な媒体で多様な人が読んでいろんな角度の意見が出れば作品に対する理解が深まり、作品が友情を深めるツールになるというものだった。

 作品、特に情報の積み重ねが多いものについては他の読者の発見がないと作品そのものの面白さを拾いきれない。少なくともネットができてからは作品のポテンシャルと読者の集合知が相乗的に拡散されるようになり、毎話毎話何度も読み返してきたと思う。

 しかし、このような働きは作者や編集部が危険視しているものと線引きが難しい。それでも発信を止めないためには、線引きが曖昧である以上読者の方が確実に問題がないラインを考えて自衛する必要があると考えられる。

「引用」とは?

 まず、目的を編集部に怒られないことに絞る。すると「お願い」に著作権の侵害には「引用」の条件を満たすことなどの例外があると書いてあることに気が付く。

 難しい用語をおおまかに説明すると、著作権とは作品を作った人が作品の使われ方を決められる権利である。その目的は作品を作る活動を発展させることであり、著作権の例外はその目的から外れない範囲で作品が使われやすくするために考えられている。引用はその例外の一つで、条件を満たせば新しい作品を作るときに他の作品をそのまま取り込んでも良いということである。

 その引用の条件は、著作権に関する裁判の結果を文化庁がまとめたものによると「
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)
」(文化庁,「著作物が自由に使える場合」, https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html, (閲覧2020-09-11))
である。

 つまり、自分の新しい考えや作品を成立させるために必要な場合で、元となるものを正確に示すなら他人の作品を掲載しても問題ないのである。この条件が単純なスクリーンショットやストーリーの説明が引用に該当しないことは分かると思う。

どんな感想なら大丈夫か

 引用はストーリーの感想を述べることとは別の活動ではあるが、
引用に求められる精神が問題視されない感想を考えるヒントにはなるだろう。

(1)はストーリーを話す理由があるということになる。考察や気持ちを伝えるためではなくただストーリーを言うのはあまり意味がない。
(2)は自分自身で考えたこととそれ以外が区別できるようにすることである。感想を書く上では関連は薄いが、他人の意見を自分が考えたように話すことは今回とは別の所で問題になる。
(3)はストーリーを話すことではなく、自分の考えたことを伝えることを主目的にしなければならないと言い換えられる。
(4)は第何話の話をしているか明確にするということである。引用の場合では元となる作品を検証できるために必要な条件だが、ストーリーの感想や考察でも読み返すときに便利だし、まだ読んでいない人が内容を見ることを防ぎやすくする利点がある。

 つまり、何に言及しているのか分かりやすくしたうえで自分が発見したこと、どう考えたのかについてなるべく深めて伝えることが重要と言える。ネットでネタバレを見てしまうことを根本的には防げないが法律的にはクリーンで、より読んだ人を惹きつけられそうな感想になったのではないだろうか。

まとめ

 漫画などに関する情報発信について著作権や引用の概念を用いて
ストーリーそのものではなく、ストーリーの何が大事だったのか自分自身の考えがメインになるように深めて表現することが大切であると説明した。

 ネット上で感想を共有することは作品自体の面白さと読者の数を増やすことにつながると思うが、共有される感想の数ではなく深さが今後求められるようになるのではないだろうか。

 現状、広く発生するネタバレを防ぐ方法は説明できなかったが法律というルールをどのように守るかを通して安心して感想を書ける環境を目指したい。

キン肉マン
著作権

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