どうやってキャラクターを作るのか?
ユーザーや視聴者、読者の方々から質問を受けると、大体いつも「どうやってキャラクターを作っているんですか?」と聞かれます。
なかなか短い言葉で答えづらくて、いつもザックリとだけ答えているのですが、せっかくなのでここで文章化してみたいと思います。
ちなみに、このやり方はクリエイターによってそれぞれなので、あくまで僕のやり方です。
作業①「世界観をまとめる!」
当たり前ですけど、まずはどういうお話にするのかをザックリと、まとめないといけません。
それぞれのキャラクターが生きる世界観を決める訳ですね。
ここをある程度固めておくことで、キャラクターの振り幅が決まります。
この段階では、まだザックリといった程度なので、ペラ1枚分くらいのストーリー案といったところです。
作業②「いざ、キャラクターを考える!」
さて、ここからキャラクター作りが始まります。
ここでは、いくつかの項目に分けて考えます。
①役割
②ベースとなるコンセプト
③人生観(行動原理や物の見方)
④見た目
⑤口調(あるいは声質)
⑥バックボーン
①の「役割」は、物語を進めていく上で決まっていく事です。シナリオで変わる事も多いので、最初は大体で大丈夫です。
本番は、②の「ベースとなるコンセプト」からです。
ここで、わかりやすくどういうキャラなのかを決めます。
たとえば「ツンデレ」とか「天然ほんわか系」とか性格をあらわすものでも、「金持ち御曹司」とか「女格闘家」とか役職をあらわすものでも、何でもいいです。
個人的には、ここで使うキーワードは、テンプレでわかりやすい方がブレないと思っています。
あくまでベースなので、わかりやすさ重視でいいと思います。
コンセプトを決めたら、次はそれに対して③「人生観」、④「見た目」、⑤「口調」の組み合わせを考えていきます。
それぞれの項目でキーワードを用意して、それらを組み合わせるので、まさに無限の組み合わせ方があります。
ベースとなるコンセプトをさらに強調するような要素を加えてみたり、あるいはギャップが生まれるような組み合わせを考えてみたり。
たとえば、元のコンセプトを強調するパターンだと…
ベースのコンセプト:金持ち御曹司
人生観:金こそすべて
見た目:威圧感のある高身長、全身金ぴか
口調:偉そうな上から口調
逆に、ギャップを与えるパターンだと…
ベースのコンセプト:金持ち御曹司
人生観:金以外の自分の価値を模索している、誘拐されがち
見た目:小さい少年、自信なさげで人間不信
口調:気弱でおどおど
といった具合です。
ギャップを与えた方が、キャラの独自性が出てきますが、やり過ぎるとべ―スとなるコンセプトの良さを削いでしまう場合があるので注意です。
ともかく、こういう具合に項目ごとにキーワードを出して、それらを組み合わせながら、キャラクターを作り上げていきます。
自分がピンときて、「このキャラを書きたい!」と思うまで、色んな組み合わせのパターンを試していきます。
実際、僕はいつもこの組み合わせ方式によってキャラクターを作っています。
まぁ、大体はすべて脳内だけでやっていますが。
このステップで、ある程度のキャラクター性が見えてくるのですが、まだ⑥バックボーンを使っていませんね。
これは次のステップの作業で使います。
作業③「シナリオを書く!」
ぶっちゃけ、今までの段階は、ただの準備段階でしかありません。
本当の本当の本番はこれからです!
結局、実際にシナリオ上に置いてみない事には、そのキャラクターが輝いているかどうかはわかりません。
で、ここでようやく⑥バックボーンも使います。
キャラクターをシナリオに沿って動かしてみた時に、「どうしてこんな行動をするのだろう?」という場面が出てきます。
むしろ、そういう違和感があった方が良くて、そこを埋めるのがバックボーンだったりします。
たとえば…
とあるキャラクターが急に小さな女の子を守ろうとする。
その理由は、かつてそのキャラクターに妹がいたから。
といった具合に、行動の理由をバックボーンで埋めていくのです。
ただ、ここで新たなバックボーンを加えた事によって、だったら最初に決めていた要素も少し変えた方がいいなと思う事があります。
その場合は、加えたバックボーンを踏まえた上で、また要素の組み合わせを考えなおします。
躊躇なく変えていきます。
他のキャラと会話をさせてみたら「ちょっと噛み合わないなー」という事もあるので、その場合も変えます。
というように、シナリオを書いてみると、キャラクターというものはコロコロと変わっていきます。
結局、キャラクターが固まるのは、シナリオが固まる時なので、事前にキャラクターだけを固めるなんて不可能だったりします。
そして、シナリオの完成とともにキャラクターも完成します。
やったー! 愛すべきキャラクターが生まれたー!
まとめ
今回は、キャラクターの作り方についてまとめてみました。
ただ、最初に書いた通り、これはあくまで僕のやり方なので、他のクリエイターには他のやり方があると思います。
つまり、正解なんてないって事ですね。
でも、僕自身もここまでちゃんと文章化した事なかったので、いい経験になりました。
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